「クズも弱いヤツも自分をわきまえて生きろよ! トップに立つべきなのは、僕みたいな人間なんだ! なのに、僕の邪魔をするからそうなるんだ!」
委員長は怒り狂って叫んだ。
「いいか、お前らもよくわかったか? 僕はレベルが違うんだ。よく覚えておけ!」
今度は立ち上がってクラス全員にあたり散らす。
でも、みんな黙りこみ、顔を背けていた。
委員長は余裕なく汚い言葉を撒き散らして、表情を更に醜くしていく。
目を見開いて、眉根に深い皺を刻み、声は怒りで掠れていく。
こんなのが、本当に強い人間なの?
力をふるってみんなを黙らせる、それが強さなの?
私はもう一度、新太を見上げた。
ボロボロだけど、権力もないけれど、静かに握った拳から、噛みしめて色がかわっている下唇から、溢れるように伝わってくる。
新太の正義が、澄み切った強い想いが。
新太は苦しくても、体当たりで過去と決着をつけようとしているんだ。


