すかさず忠告した新太の声が、冷え切っていて怖かった。
新太は委員長の前で静かに立ち尽くしていて、まったく微動だにしない。
空気が緊張していく。
でも、わかるんだ。
私はネットでウソをついているけど、ネットは私の居場所だった。
ももたんは、私にとって必要な存在だった。
みんなにとっても、あのサイトは必要だった。
ネットだろうとなんだろうと、あそこにはみんなの心があったんだもん……。
「お前は、人をなんだと思ってる? 俺たちは、お前のオモチャじゃない。壊すことなんて許されない。誰にも、心が……、心があるんだよ!」
新太はかたく握った拳で何度も自分の心臓を叩いて叫ぶ。
「お前は人を壊して、本当に楽しかったか? どん底に落ちた俺を高校まで追ってきて、観察するのがおもしろかったか!? 答えてみろよ、緒方!」
新太の怒りが爆発する。
肩に掴みかかり、体を大きく揺さぶる。
委員長の体は人形みたいに激しく揺れた。


