「僕が、お前にどれだけ苦しめられていると思う? なんの努力もしなくても、お前は才能と成績で、簡単に僕の上に立つ。そんなのってあるか?」
その時、委員長は歯をむき出しにして、新太のことを睨み上げた。
声が、静まり返った教室に低く響き渡っていく。
「お前とは違うんだ。僕はいくつも努力してきた。必死に足掻いて努力して、やっと今の居場所を手にしたんだ。そんな人間の気持ちを、関谷になんかにわかられてたまるか」
委員長は声を荒げ、大きな身振りをする。
そしてその手をきつく握り、声を潤ませた。
「最初からなんでも持っている人間にはわからないさ……。いつも優等生を演じて勝ちとった居場所も、少しの失敗で簡単に足元から崩れていくんだ。周りの人間の目は、すぐに変わっちゃうんだよ、都合よくな」
私は、小さく息をのんだ。
私もこんな目をして、いつも周りを睨んでいたんだろうか?
やり方は違うけれど、毎日毎日自分を演じて、自分の居場所を確保してきた。
やっていることは、ほとんど同じ。


