キズだらけのぼくらは



「なあ、緒方。なんで、こんなことをするのか俺には理解できないよ。ネット上での俺たちの正体まで知って、暴いて楽しかったか?」

新太は、泣いているみたいに声を震わせて委員長の元へ座り込むと、ぐしゃりと襟首を掴んだ。

「そんなにも、俺が憎いか……? 俺がお前になにかをしたのか……? なんで、俺だけじゃなく、板野や羽咲まで巻き込んだんだよ!?」

悔しげな言葉の語尾が強烈に響いて、耳をつんざく。

私はそんな新太の小さくなった背中を見つめたまま、びくりとして肩に力をこめた。

けれど、新太は力を失ったように手を離し、その場に項垂れた。

それを見ていたら胸の内になにかがこみあげて、私は唇をきつく結んだ。

こんな時、自分の名前があげられることなんてなかった。

そんな些細なことが胸に響く。

「今更、なにとぼけたこと言ってるんだよ……。お前のそういうとこ、吐き気がするくらい嫌いだよ」

でもその瞬間、俯いた委員長から、静かなつぶやきが聞こえてきた。

片膝を立て、制服を乱したまま座っている委員長は、顔さえ見えない。