ひっかきキズが刻まれた白い柱も、雑に字を消しただけの白っぽい黒板も、雑然と並んだ机も、全てが凍りついていくよう。
「早く言え。それとも、ここで俺に言ってほしいのか」
新太は低い声で圧力をかけるように委員長に詰め寄る。
「な、なんのことだよ? 関谷の話はまるでわからない」
すると委員長は、姿勢を正してはっきりと言った。
「僕のことが気に入らないのか知らないけど、なんの事件でなんの犯人だというんだ? 証拠もないのにそんなことを言ったら、みんなが不審がるぞ」
そしてなだめるように新太の肩を叩く委員長。
「悪ふざけは、このくらいで終わりにしよう」
でも、新太の言葉はすぐに返ってきた。
「終わりにするのはどっちだ? お前は、なんの罪の意識もないんだな」
レンズの奥の新太の目が、険しくなる。
「本当にお前は、どうしようもないな……」
新太の手は、悔しげに握られていた。


