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机の上にカバンをおいて、がさつにノートをつめこむ。

けれど、けばだった表紙の切り口が、指に触れて嫌々ながらも視線を落とした。

窓からの明かりで手元はよく照らされ、大きく破れたノートが存在感を増す。

大胆に破りとられ、角の残った部分にはマジックで書かれた文字の断片が見えた。

死ね、ブス……。

私は目をふせてノートをカバンの中に放りこむ。

目を開けていても、余計なものが見えるだけ。

もちろん目をつむったからって、全てが見えなくなるわけじゃない。

背後から聞こえる、秋穂の鼻にかかった甘ったるい笑い声。

見なくても、秋穂が今、化粧の濃い目でこちらを見ながら、体を揺らして笑っていることぐらい想像がつく。

でも、言いかえす勇気もなくて、いつも我慢の連続だ……。