少し気持ちは咎めた。
けれどそれ以上に、海夏を救える方法があるならば知りたくて、俺はそのパソコンを持ち帰って、中身を調べ上げた。
そうして、俺が見つけたのは、ホームページ作成ソフトの中に残っていたデータ。
“月がいなくなった夜”というまっ黒なサイトと、アキムという管理人の名前。
過去レスを見れば、みんななんらかのキズを抱えた者達が書き込みをしていた。
でも、そこはまるで焼け野原のように、炎上していた。
あるユーザーによって、海夏のように心にキズを負ったユーザーたちは攻撃され、サイトは荒らされ放題にされていたのだ。
そして、トップページには、血のように赤い文字で大きく“みんな消えちまえ! 消え失せろ!”と記されていた。
その画面を目にしていた時俺は、胸がえぐられるように痛かった。
まるで俺に向けられたメッセージのよう。
もっともな叫びなのに、まだ弱い俺は受け止めきれずに画面を閉じてしまった。
痛すぎたんだ。
俺の、一番痛い部分をその言葉が貫いていったから。


