キズだらけのぼくらは



『ほら、海夏。帰るぞ』

俺は、雑誌を立ち読みしている海夏の肩をトントンと叩いた。

本当は俺が雑誌を立ち読みする予定だったのに、大誤算だ。

『うん! ありがとう、ヒロ兄』

けれど、海夏は俺を見上げ、大きな目を細めてとびっきりの笑顔を見せた。

『おう……。帰ってから食えよ、全部やるから』

恥ずかしくなった俺は顔をプイッと背けて、袋を海夏の顔前にぶっきらぼうに突きだした。

結局俺は、どれだけ振り回されても妹には弱いんだと思わざるを得ない。

『そうと決まればとけないうちに帰んなくちゃ! ヒロ兄、家まで競走だからね!』

『はぁっ!? やだよ、んなもん!』

でも俺がとっさにそう言ったときには、海夏は俺の手からジャリジャリ君が入った袋をひったくって、コンビニから飛び出していっていた。

『おい、待ってってば!』

俺は面倒くさかったけれど、海夏を追った。

陽炎でゆらゆらと揺れて見える景色の中にくりだした海夏のまだ小さい背中を見ながら。