あとを追うように俺も店内に入れば、冷房の涼しさに思わずほっとした。
でも、海夏は既にかぶりつくような勢いで、アイスが陳列されている冷凍庫の中をのぞき込んでいた。海夏らしいといえば海夏らしいが……。
『おい、あったのか?』
俺がうしろから声をかけるなり、海夏は目を爛々と輝かせ、パッと俺を振りむき見た。
『あっ、いいこと思いついたんだよ、ヒロ兄! 私の誕生日もうすぐだし、今日はとりあえずジャリジャリ君奢ってよ』
『はぁ? 自分で買うんじゃなかったのかよ!?』
俺はあんぐりと口を開けた。
なのに、海夏ときたらニタニタ笑ってきやがった。
『かわいい妹の誕生日が近いっていうのに、ジャリジャリ君ひとつも買ってくれないの? ケチ~、ドケチ~』
今度はあっかんべーしてそんなことを言い出すから、俺はとっさに海夏の口をおさえつけた。
他の客の視線が集まって、俺は苦笑いで会釈し、海夏には小声で言ってきかせた。
『ちょちょっと黙れって! 買ってやるよ、買ってやればいいんだろ……』


