キズだらけのぼくらは



コンビニまでの道すがら、俺は前を歩く海夏に話しかけた。

『たく。いつもの友達と一緒に行けばいいだろ。俺じゃなくったって……』

いろいろな雑誌だって立ち読みしようと思ってたのに、妹が来ちゃできないだろうが……。

俺は後頭部を掻き毟りながら、本当に厄介だなと再び思った。

そんな時に限ってセミはよく鳴き、ただでさえうだるような暑さをより酷いものに変える。

『しつこいなぁ。私、ジャリジャリ君を買うようなキャラじゃないじゃない! 私、みんなの中じゃリーダーで、一番オシャレなんだよ。なのに、ジャリジャリ君じゃ格好つかないの!』

けれど海夏はくるりと俺を振りかえると、ムキになってカエルみたいにほっぺをふくらました。

そして、腰に手を当て仁王立ちをして、俺と同じ二重の大きな目で俺を睨みつけるのだ。

『そうかそうか、わかったわかった』

でも俺は、肩をすくめておどけてみせた。

海夏はいまだにご立腹そうだけれど、おかしくてしょうがないのだ。

海夏が怒ったって、兄貴の俺はちっとも怖くなかった。

むしろ、そんなことで俺が怖じ気づくと思っている海夏を見ている方が面白かった。

空は夏のきれいな水色で、夏生まれの海夏にはよく似合っていた。