なんで心があのことを聞きたがっていたのか、私にはもうだいたいわかっているけれど、自分の心に知らんぷりをする。
彼がすべてに頷いたとしても、彼とはほんの少しだけ向き合えたのだから、私はもう満足なんだ。
「じゃあ、答え合わせでもするか」
すると、彼はふいににっこりと微笑んだ。
私はそんな彼にびっくりして言葉を失うばかり。
騒がしい雨音は一瞬にしてすうっと遠のいて、彼の笑顔に吸い込まれそうになる。
切れ長の目は優しげに崩れて、瞳はキラキラと輝く。
薄い唇は、穏やかに笑んでいた。
胸がドキリと高鳴る。
その笑顔を見ているだけで、痛さも忘れて頬が熱くなる。
こんな顔、見たことなかったな……。
普段より、ずっとずっと優しくて、いい顔してる……。
私は彼に気づかれないように下を向いて、くすりと笑った。
思えば、ネットに現れた時から、ずるいヤツだったけれど。
それにしても、私が決心して聞いたというのに、この顔は反則すぎるんじゃないの?


