キズだらけのぼくらは



わかっていた、こうなることくらい……。

だらりと下がっている私の手は、ひやりとするタイルに触れている。

だから私はそのまま、タイルの目地に強く爪をたてた。

でも、タイルはかたくて私の爪の方が割れそうだ。

私は秋穂どころか、彼女たちにも勝てない。

どんな風に罵ったって、力の前では踏みつけられるだけなんだよ……。

するといきなり、私は肩をおさえつけられた。

ドアに肩を押しつけられ、骨がこすれるようにぶつかる。

「ねえ~、早く持ってきて~」

その声を聞いて少し視線をあげると、バケツとモップをぶら下げてくる片方の女子が目に映った。

私は思わず、下唇を痛いくらいに噛み締めた。

やっぱり、理解はしていたって、私はこんな現実受け入れたくない。

なんで、私たちはやられっぱなしじゃなきゃいけないの?

なんで、こんなヤツらが強い世の中になったの?