乾いた音が耳元でして、頬に痛みが走る。
頭だけふっ飛ばされそうになって、私は踏ん張った。
「アンタみたいのはずっとひとりぼっちで、ずっと底辺で生きていくの。私たちよりも、アンタはずっとずっと下の人間なんだよ!」
もうひとりの女子が平手打ちをしてから、そう叫んだ。
「そんなアンタが、あんな口を聞いて許されると思うんじゃないよ」
鬼の形相をした彼女に乱暴に肩を掴まれると、そのまま突き飛ばされた。
個室のドアが壊れんばかりの音をたてて、私の背中を受け止める。
私はドアにぐったりと寄り掛かったまま、がっくりと項垂れた。
薄目を開ければ、目の前には大きすぎる影が私まで覆うように落ちている。
そして、私にぴったりと詰め寄るふたりの足も見えた。
「ねえ、どうやって教えるのがいい?」
「うーん。ああ、汚いからあれで掃除すんのが一番いいんじゃない?」
「いいね~」
頭上で、すごく楽しそうな遊びが考えられている。
誰も来ないこの女子トイレには、愉快そうな女子の声がよく響いた。


