ドアを一気に開ける。一瞬にしてやむ騒音。
個室の真ん前には女子がふたり、焦りで歪みきった醜い顔で呆然と突っ立っていた。
「えっ……、アンタ?」
「ははっ、キモ女じゃん」
私と目が合うなり、ふたりはお腹を抱えて笑いだした。
「なーんだ、秋穂とかじゃなくてよかったぁ~。コイツならどうにでもなるわ」
彼女たちは私のことなんか見ず、下品に笑いこける。
窓からさす光が、笑ったせいでにじみ出た目尻の涙を、イヤらしく光らせた。
よく見れば、彼女たちは秋穂の取り巻きの中のふたりだ。
私は黙ったまま、個室の外へ数歩出る。
「黙ったままで、キモイんだけど。それとも私たちが怖くて声も出ないわけ?」
面白がって言う声が、横から聞こえてきた。
好きに言えばいい。
どうせ、“キモイ”ぐらいしか言葉を知らないんだから。
私は、キッと彼女を睨み上げた。
彼女は怪訝そうな顔をして、一歩引く。


