キズだらけのぼくらは



私は彼を睨んで、ずんずんと歩き距離を詰める。

「アンタって本当に酷いヤツね」

鼻を鳴らしてガツンと嫌味のひとつも言わなきゃやっていられない。

でも、彼は耳がないのか、まったく違うことを話しかけてくる。

「お前も、もう数日にしてイジメに耐えかねたか? そんなんじゃ、この先やっていけねぇぞ」

彼はズボンのポケットに手を突っ込みながら、スマートに歩いていく。

私の歩くスピードなんてお構いなしに、どんどん先を歩いていくんだ。

おまけに、あんなことを茶化すように言われて、腹が立つ。

「誰が負けるもんですか。ふざけたことを言わないで」

そう言いかえしながら、食らいつくように彼のあとをついていった。

すると彼は前方に見えたドアを開けて、外へ出た。

私も続けて外へ出れば、そこには黄色っぽく変色した芝生が見えた。

ここは体育館へとつながる外通路だ。