キズだらけのぼくらは



私は拳で壁を叩く。

でも、強く叩いたつもりなのに、拳は壁をずり下がっていった。

鼻の奥がつんと痛くなる。

思わず、結愛みたいに声をあげて泣きたくなった。

だけど、今の辛そうな結愛と付き添っている新太にそんな姿見られたくないから、唇をきつく結んで堪えるの。

その分、壁についた拳を悔しさをめり込ませるように押し当てた。

そんな時開けられたドアから、なぜか切れ長の瞳が私をのぞいていた。

本郷大翔だ。

「どこから……?」

壁に押しあてていた拳の力は抜けて、私は我に返る。

「俺がなにをしていようと関係ねぇだろ」

声を落として言われた言葉を無視して、私は外に頭を出した。

すると彼は、ドアの横に備え付けられた梯子をおりきったところだったのだ。

そんなところから現れるなんて、ますますコイツはわからない。