キズだらけのぼくらは



私はそう言ってくるりと背を向けた。

胸の高鳴りがまだおさまらなくて、紛らわすかのように雑に髪を耳にかける。

少し指が触れた頬は心なしか熱くなっているから、こんな顔見られたら笑われてしまう。

「羽咲さん、待って。本当に……僕を頼ってね……」

その瞬間手首を掴まれた。温かくて大きな手に包まれる。

私はゆっくりとその手を振りほどいた。

「その気持ちだけで、嬉しいです……」

委員長として言った彼の言葉を胸にしまう。

絶対に頼ることはないけれど……。

私は変わりもので厄介な存在で、委員長は気にかけてくれているだけなんだから。

そう言いきかせて、私はひとり歩きだす。

掴まれた手首を反対の手で、ギュッと掴みながら。

いつからか、耳にかけたはずの髪は前に垂れ下がって、熱い顔を隠した。

足音は、私のリズムの悪いものしか、響いていなかった。