キズだらけのぼくらは



入口には、周りにいる男子とは明らかに違う男子が立っている。

モデル並みに高い身長とスタイルのいい細身な体。

一欠けらの笑みもない無表情な顔は、とてもシャープで話しかけがたい。

けれども、とても整った顔をしている。

がやがやと話をしていたみんなは、自然としんとしてしまう。

まるで、彼はそれが当たり前かのように、その中を堂々と私の方へ向かって歩いてくる。

だけど私は、ぼんやりと彼を見て、小さく眉根を寄せた。

彼はYシャツのボタンを多めに開け、左耳にはピアスを光らせている。

見るからに不良。私の嫌いな人種。

女子はこういうヤツにすぐちやほやするけど、私にはその気持ちがわからない。

子供みたいに、態度や格好で不満を撒き散らしているだけでしょ。

私はそう思った。

でもそう思った瞬間、彼と目が合ってしまった……。