キズだらけのぼくらは



立っていることさえ辛くて、足がふらついている。

助けを求めるように周りを見たって、どこを向いてもスマホばかり。

もちろん、目の前の秋穂だって……。

目線の先では秋穂のスマホにつけられたネコのマスコットが揺れていた。

そのゆったりと揺れるネコはイヤらしく口角を釣り上げて、まるで私のことを嘲笑っているみたい。

そして全員の笑い声が、私の心を押しつぶしていく。

「もう、アンタら有名人だよ。誰だか知らないけど、LINEでみんなに流されたから。あの闇サイトもアンタのブログもURL付きでね」

秋穂は、グロスで艶めく唇から、さらりとそんなことを言った。

アラート音は今もなり続いている。

本当に、目の前が真っ暗になった気がした。

遠くで聞こえる結愛の泣きじゃくる大きな声とともに、私の足下からなにかが崩れていくようだった……。

すると秋穂は、私の真ん前まで歩み寄って、私の重い前髪をかきあげた。