私はあの女の子をよく知らないし、過去にどんな事件があったのかもわからない。
まあそれ以前に、私は他人のことに興味はないけど。
あの子可愛いし、恋愛関係のトラブルかな?
そういうのが絡んでくるとますます面倒くさそう。
頬杖をついた私は、誰にも聞かれないように、静かなため息をついた。
けれどそんな時、秋穂たちがざわつき始めたのだ。
「きゃあ、ヒロトくんだ……! 今日はちゃんと登校してきたんだぁ」
ヒロト……?
もう二学期に入ったというのに、覚える必要がないからと、私はあまりクラスメイトの名前を覚えようとしなかったからピンとこない。
「やっぱ、かっこいいね。謎な部分多いけど、そこもまた魅力だよね」
さすがの私も少し気になって、入口の方に顔を向けてみた。
するとそこには、みんなの視線を集める男子がいた……。


