一番レベルが低い女子はそんなことを受け入れてはいけない。
許されるのは唯一、秋穂みたいな一軍女子だけだ。
「すみません。ひとりでゆっくりしたいので」
私はぶっきらぼうにそう告げて、廊下へ出ていく。
もちろん、廊下へ出ていくまでの間、女子たちのぼやきが聞こえた。
「何様なの? 委員長が心配してやってるのに」
「よくあんな格好で偉ぶれるよね」
なんとでも言えばいい。
聞こえるように言っていることぐらい、私は知っている。
それでも私は知らんぷりをしてここから去るだけ。
きっと丁寧にお断りして、更に委員長から情けをかけられていたら、彼女たちはもっと気に入らなくて、私を妬んだはず。
だったら、無愛想に断った方が後々影響がない。
私には同情も優しさもいらないんだ。
地味な格好をして、仲良し軍団にも入らずに、何事もなく学校生活が終わればいいの。