キズだらけのぼくらは



最後に付け加えられた言葉に、私は顔をしかめた。

なんで、それを言えないの?

彼はメガネを押し上げ、透明になったレンズの奥から力強い黒い眼が私に向けられる。

まるで、これ以上勘ぐるなとでもいうように威圧的で憎しみさえこもっていそうな気がした。

私はそんな視線に思わず言葉をのみこんで、机に置かれたかたい拳に視線を落とす。

手の甲には薄紫色をした血管が若干浮かび上がっている。

心がもやもやしてばかりで、ちっともはれない。

アキムは姿を現さず、バカにしたようなメッセージを送りつけてきた。

新太は新太で、意味深な発言をする。

私は新太をブラックだと確信はしているけれど、アキムではないと完全に信じたわけじゃない。

ネットなんだから同一人物が演じわけているということだって、考えられるんだから。

今の発言だって、うまく濁して逃げたとも思えるでしょ。