橙色に染まり始めた強い日の光が彼のメガネのレンズを光らせて、瞳を隠す。
あの日、彼だけが私たちと違ったんだ。
私たちにはブログの中の機能、メッセージを利用してアキムが送ってきた。
けれど、彼がアキムの意味深な言葉を受けとった場所は、あのサイトの中。
それに私たちはスマホなんて気にしていなかったのに、彼だけがしきりに気にしていた。
なにか怪しくない?
私は本の中身が頭の中に入りそうもなく、音をたててハードカバーの表紙を閉じる。
「あの、聞きたいことがあったんだけど、あなたはアキムにどんな風に勧誘されてあのサイトを訪れたの? ブログからではないでしょ?」
唐突に、私は疑問をぶつけた。
テーブルの端にいる彼は遠いけど、光るレンズの奥を探るように鋭い視線を投げかける。
でも彼はそんなのものともしないで、活字から目を逸らさずにこう答えた。
「確かに俺は、ブログも持っていないしそこから勧誘されたんじゃない。また別の方法だ。今は詳しく言えないが」


