「それはアンタの罪じゃない。恋をしたその男子の罪でもない。どこかの誰かさんの罪を自分でかぶるのは、もうやめたら?」
もうすぐにしずくがこぼれ落ちそうな彼女の瞳をとらえながら、私はリストバンドがつけられた部分に更なる力を込める。
……なにを私は熱くなっているんだろう。
この子のために必死にこんなことを言って。
我に返り始めて、私はすぐに彼女の手首をいらないもののように手放す。
だけどそれでも最後の捨て台詞。いや、最後のお節介っていうべきかな。
親友を信じていた昔の私に似ている彼女へ……。
「それでもアンタは、あの秋穂を本当の親友だと思えるの?」
そう言った瞬間に、彼女の大きな瞳からダイヤモンドのように光るものが落下した。
初めの一粒を皮切りに、次々と落ちていくそれらは、私の余計なお節介に返事をしてくれているようだった。
たとえ頭で割りきれなくても、彼女はわかってはいるんだ。
悲しいだろうけど……。


