3階の床を踏んだとき、私は息も絶え絶えだった。
このまま膝をがっくりと折って、この場に座り込んでしまいたくなるほど、私の息は上がっている。
その時、ミニスカートの女の先輩が私のことを迷惑そうに見ながら、無言で階段を下りていった。
横目で見れば、彼女も秋穂みたいに、顔にはけばいメイクを施している。
いつもの私なら微塵も思わないのに、今の私はちょっぴり思った。
派手な女子たちが着飾って、フルメイクで完全防備しなくちゃならなくなったのは、こういう視線に過敏だからなのかって。
そう、こんな地味な格好を無理としている私と通じる部分もあるのかも。
まあ、根本的に彼女たちなんかとは違うけど。
でも、視線は、凶器だと思う。
それはまるで悪意なく突きつけられたナイフ。
私が戦っているものは、そんな視線でもあるのかもしれない……。
それはさておき、今はオフ会だ。
廊下のもう少し先に、すでに図書室は見えている。


