ティーカップを、シンクの中に入れてあたしの鞄を持った。
「行くぞ。準備できたんだろ?」
「うん、できたよ」
できたけど何故ゆえ、あたしの鞄を持っているのかな?
「あの、鞄返して」
……
って、いないし!どこにいったのよ?人の鞄持ったまま消えるなぁー!
「おい、置いていくぞ」
声がしたのは玄関の方からだった。なぁに、勝手に行ってんの?
別に置いていってくれて構いまんせんよ、あたしの鞄もついでに置いていってくれないかな?
「遅刻するぞ」
げっ、それはヤバイ。遅刻だけはしたくないっ!
うちの担任うるさいから放課後とか呼ばれたりする人いるみたいだから。
「分かったわよ、今行きますよ!」
えーっと……窓は締まってるね。で、あとは、電気もOKだし……よし行くか。
「遅い」
「戸締まりしてたんだからしょうがないでしょ。それより、あたしの鞄を返して」
「俺が持つから良いよ。それより、早く出ろよ」
あ、持ってくれるんだ。

