「…美紗」 美紗が誠の顔を見上げると、彼の目は潤んでいた。 「いつか行けるよ。 ずっとこれから一緒にいるんだから。すぐに籍を入れよう」 「…うん…」 美紗の視界は、溢れ出た涙でかすむ。 「…俺と初めてデートした時の事、覚えてる? 美紗、酔っ払って、私となら幸せになれますよって、言ったの… 今度は俺が言うよ。 美紗、俺となら幸せになれるよ…」 込み上げてくる嗚咽が邪魔をして、誠の言葉に、うん、うん、と頷くことしか出来なかった。