身体が怠くて、出掛ける気になれなかった。
ずっと誠の部屋で過ごした。
誠とベッドの上で裸で戯れていると、全てを忘れられた。
「夜、メシどうする?」
誠が美紗に訊く。
「どうしよう…全然、食欲ないんだ。二日酔いは治ったんだけどな」
美紗は朝、菓子パンを一つ食べたきりで、昼も何も食べなかった。
誠だけがインスタントラーメンを食べた。
「少しでも食べなきゃ駄目だよ。
俺が何か簡単なものを作ろうか?」
誠が言った。
「うん…ありがとう」
無理に外食したくなかった。
夕方頃、二人で誠の車に乗り、近所のスーパーに食材の買い出しに出掛けた。
生鮮食料品売り場で美紗はふと、悪寒を感じた。
ここ嫌だ…
そう思った途端、軽い眩暈がした。
脚がふらつき、ショッピングカートを押す誠の腕に思わず縋る。
美紗の異変に気付いた誠は、心配そうな顔をする。
「美紗。顔、真っ青だ。大丈夫か?」
「うん…」
油汗が美紗のおでこに滲んできた。
うなづくのがやっとだった。

