ビールなんかじゃなくて、日本酒いこう、と興に乗った部長は言い、
「おい、熱燗!おちょこ二個な!」と幹事のシミズに日本酒を持って来させた。
酌婦どころか、美紗は絶好調の部長に日本酒を飲まされて、変な風にはじけてしまった。
何時の間にか、「部長のお膝、あったか〜い、気持ちい〜い!」と言って身体をクネクネさせながら、美紗は部長の膝の上に乗っていた。
日本酒はシャルドネより何倍も恐るべし…だった。
記憶は断片的だった。
「美紗ちゃん、お口開けて〜」
膝に乗ったまま、部長に白菜を食べさせてもらったりした。
「美味しい〜お返しでえす!」
美紗も部長に、肉をあ〜んしてあげた。
きゃはははは〜と脚をバタバタさせて馬鹿笑いした。
大抵の者はドン引きして、美紗達の醜態を遠巻きにして見ていた。
美紗の近くにいた者達は皆ニヤニヤしていた。
それは美紗のスカート丈が膝上で、はしゃぐ美紗はスカートの裾を全く気にしていなかったからだ。
宴がお開きになり、千鳥足の美紗にさすがの部長もやり過ぎてしまったことに気付いたのか、タクシーを頼んでくれた。
…去年入ってきたばかりの新入社員をボディーガード代わりにつけて。

