人が変わったような誠に美紗は怯えた。


誠が強引に美紗の下着とストッキングを下ろそうとするのに美紗は
「お願い、やめて!」と言って身をよじり、必死に抵抗した。


どうしてこんなに奪うようにするのか
わからない。


抗う美紗に、なかなか誠の目的は果たせず、次第に彼の手の力は弱くなっていき、ついに止まった。

美紗の捲り上がったセーターの腹の上に顔を埋めたまま、誠は動かなくなった。


「いくら彼氏だからって、こんなの酷いよ…」


落ち着いてくれたと思い、そのままの態勢で美紗は呟いた。


誠は眠ってしまったかのように何も答えなかったが、しばらくすると、頭が小刻みに震え出した。


「…どうしたの?…誠?」


震えているのは、頭だけではなかった。

肩も、腕も、指も。


美紗に縋るような格好で誠は震えていた。
誠の口から小さな嗚咽が漏れてくる。


誠は泣いていた。


「…ごめん、美紗」


顔を上げた目から、涙がこぼれ落ちる。


「…本当にごめん…本当にごめん…」


ハンドルに顔を伏せ、咽び泣きながら、誠は何度も謝罪し、赦しを乞うた。


その声の響きは、あの言葉と同じだった。


バイバイ、きらら…