「社長…私…頼さんとは結婚できません」
「…昨日は悪かった…あくまでもあれは私の望みだ。16年前に息子夫妻をテロで亡くし、一人になった頼を私と死んだばぁさんで引き取り養育した。でも、頼自身…私たちに壁を作ってしまった。同じ屋根の下に暮らしてると言うのに…私たちは何処か他人行儀で。ばぁさんが亡くなり…一層…壁が厚くなった」
「・・・」
「私を亡くせば…頼は一人になる。親戚は居るが…皆…信用できん者ばかりだ。だから、わしが死ぬ前に頼には家族を作ってやりたかった」
「…でも、私…バセドウ病で…妊娠は医師から止められています」
「そうか…悪いコトを言ったな…」
「失礼します」
近藤さんがノックして部屋に入ってきた。
「…昨日は悪かった…あくまでもあれは私の望みだ。16年前に息子夫妻をテロで亡くし、一人になった頼を私と死んだばぁさんで引き取り養育した。でも、頼自身…私たちに壁を作ってしまった。同じ屋根の下に暮らしてると言うのに…私たちは何処か他人行儀で。ばぁさんが亡くなり…一層…壁が厚くなった」
「・・・」
「私を亡くせば…頼は一人になる。親戚は居るが…皆…信用できん者ばかりだ。だから、わしが死ぬ前に頼には家族を作ってやりたかった」
「…でも、私…バセドウ病で…妊娠は医師から止められています」
「そうか…悪いコトを言ったな…」
「失礼します」
近藤さんがノックして部屋に入ってきた。



