【完】結婚からはじまる恋《1》

1階と2階が婦人服フロア。1階はカジュアルな服が陳列され、オフィス用の服は2階のフロアに陳列されていた。
私たちは階段を上がって2階のフロアに足を踏み入れる。


「お前の好きな服を選ぶといい」


「でも…」
私が口ごもると頼さんは怒った。


「時間がない。早くしろっ!」


「はい」


彼の苛立った声に驚きながら、返事をして服を漁った。



桁違いな値段ばかりの服に戸惑う。



私は服を見ながらチラッと頼さんを盗み見る。



彼の黒い瞳がジッと私を見つめていた。



「値札は気にしなくていい」



「あ、はい」


頼さんが私に近づいてきて耳許で囁く。
私を追い詰める態度のような頼さんに鼓動はドキドキ。

私ってMかもしれないーーー・・・