「先に…行きつけのブディックに行く…」



「え、あ…」


「そのカッコでは店に入れない…」



頼さんは静に言って、ハンドルを操作して車を入り口へと走らせていく。


彼はスーツ。

私と言えばベージュのドルマンニットにレトロな花柄のロングスカート。

靴はスニーカー…



頼さんが連れて行ってくれる店はきっと会員制のフレンチレストランみたいな雑誌に出てくるようなお洒落な店なんだ。



入り口を出て、夜のオフィス街を駆け抜ける。