私は副社長の指示で地下の駐車場で待った。



「…待たせたな…」


「いえ」



副社長が一人で右手に黒のブリーフケースを持ち、現れた。



「あ、あの・・・今夜だけ頼さんと呼んでいいですか?」



「ああ…」



「頼さん…」



私はおそるおそる試しに呼んでみる。



「何だ?」


「いえ、別に何も…」



「用がないなら呼ぶな…」



頼さんに叱られてしまった。


「すいません」