晃が俺の秘書を辞め、


美愛ちゃんが部屋を出て行ったーーー・・・



リビングの窓際に立って、オフィスのビル群を見つめる。




「頼…さん」


俺の隣に深幸が歩み寄って来た。




「お前の着けているロザリオは…」




「社長からこっそり訊きました。頼さんの亡くなられたお母さんの形見だと」




「そうか…」




「…私…美愛に頼さんだけは譲れませんでした…」



「俺も晃にお前だけは譲れなかった…」