「美愛…ゴメンなさい」


「私の方こそ…ゴメンなさい」

本当に私だけ幸せになっていいのかな?


私はウエディングドレスに身を包みながら…美愛のコトを考えると躊躇いを感じる。



「素敵よ…おねぇちゃん」



美愛が私のベールを下ろしてくれた。

花嫁の最後の身支度であるベールを下すコトは、愛情いっぱいに子育てされた母親の最後の役目と言う意味がある。






でも、私たちには母親はいない。
妹の美愛が母親役をしてくれた。


「幸せになってね。おねぇちゃん」


瞼が再び、熱くなっていく。


「おねぇちゃん…私は大丈夫…おねぇちゃんに守られなくても…一人でしっかりとがんばるから…」



「美…愛」