晃さんも自分の部屋に帰ったらしい。



「…深幸…大丈夫か?」



「…美愛は?」



「美愛はホテルに泊まるそうだ…」
この部屋に居るのは、私たちふたりだけなんだ・・・


「一人で?」



「ああ」



頼さんは首許のネクタイを抜き去り、一番上のボタンを外す。




私は上体を起こした。
頼さんは私のそばに浅く腰を下ろす。
サイドテーブルに置かれたスタンドの薄明かりが頼さんの姿を照らした。






「あの…頼さん・・・」


「何だ?」