* * *


頼が廊下の片隅に佇んでいた。



「お前…どこに行ってた?」



「…トイレよ…あ・・・利奈が居たわ」



「利奈が!?」


頼の無表情な顔が急に慌てた。



「…貴方…彼女にプロポーズしたみたいね」



「…余計なコト言いやがって…」



頼はブツブツと独り言を呟く。



「…旦那と上手くいってないみたい」



「・・・」



「…男の見る目がないって言ってやった」