「行くよ…美愛ちゃん」 「はい」 「いってらしゃい」 ベットに横になっていたおねぇちゃんが重い足取りで玄関先に出てきた。 「…挨拶はいいのに…ちゃんと寝てろ…深幸」 「はい・・・」 頼はおねぇちゃんの体調を労わり、革靴を履く。 頼の優しさを独占するおねぇちゃんが憎い。 でも、婚約者として紹介されるのは私。 少しだけ、優越感を持つ。 「じゃあね。おねぇちゃん」 「お願いね…美愛」