私は社長と資料室を出て、エレベーターホールに向かった。


社長の後ろを挙動不審に歩く清掃バイトの私。



社長の姿に気づいた廊下を歩く社員たちは足を止めて、頭を下げていく。


鑑三じぃちゃんが本当にクリスタルコーポレーションの社長さんなんだと実感した。



社長に付いて歩く私は社員たちの目には奇異に映ってるんだろうなぁ。




エレベーターホールに付くと気を利かせてボタンを操作する。



「私がやるのに…深幸ちゃん。変な気を回さんでもいいぞ」



「いいえ…やらせてください！！」


私は語気を強めて返す。


今までのご無礼を何としても返上しないと。