【完】結婚からはじまる恋《1》

* * *


「失礼します」


声だけで美愛ちゃんだと判断する。


俺は彼女の真の目的が知りたくて…書斎のドアを開けた。



「・・・」


美愛ちゃんは洗い物で手が離せない深幸に代わって、俺にコーヒーを持ってきた。



俺のデスクにそっとコーヒーを置く。


コーヒーの入ったマグはアウトレットで購入したペアマグの片割れ。




「…美愛ちゃん…一体…君はここに何しに来た?」



「・・・貴方にどうしても会いたかったの…頼さん」