深幸がせっかく作ってくれた料理。


美愛ちゃんの存在が俺の食欲を減退させる。



「…頼さんの口に合いませんか?」


あまり食の進まない俺を深幸が心配そうに見つめる。


「そうじゃない…」


どう説明すれば、深幸の心配を取り除けるのか。
いいアイデアが浮かばない。



俺の全神経が美愛ちゃんに集中している。

気が張り詰めて、癒される所か…逆に疲労が溜まっていく。




「…今日は少し疲れているんだ。ゴメン…深幸」




「そうですか・・・」



「すまない…やり残した仕事もあるし、俺は書斎に行く。美愛ちゃんはゆっくりしてくれたらいい」



俺は食事を半分残して、椅子を立つ。