【完】結婚からはじまる恋《1》

「き、君っ!!?」



私は彼の足の間に入り込み、上半身をハグする。




「…何するんだ?」


「…別れた彼氏…似てるの…少しだけ…このまま…居させて下さい」



「別れた彼氏って・・・」




彼は私の嘘を丸呑みした。

御曹司って人を疑うコトを知らないのかな?
簡単にハグさせて、姉貴が知ればどう思うかしら?



彼の両手も私の腰を抱いていた。



私は彼の膝の上に座り、猫のように甘えてみせる。




「君…彼氏なんて嘘だろ?」



何だ…分かっていたのかーーー・・・



「でも、近くで見ると本当に似ている…深幸にそっくりだ」