【完】結婚からはじまる恋《1》

「・・・」


彼はチラリチラリと私に視線を向ける。



「私の顔に何かついていますか?」



「…ん、あ…いや…あまりにも婚約者に顔が似ていたもんで」



「婚約者…ですか…」




「君の名前は?」



「美しい愛と書いて美愛(ミア)です」



娘に援交させるような女が考えた名前とは思えない私の名前…



「…俺は神宮寺頼だ」



「!!?」