「座れ」



「でも…」



「水出してやる…薬まだ…飲んでないだろ?」



「はい」



濱部夫妻の前では薬も飲めなかった。

あの場で飲めば、話題は私の病気になる。
人に病気の説明をするのは辛い…



頼は奥にあるダイニングキッチンに入っていく。



薄明かりの部屋。



メインの天井に埋め込まれた照明は消されたまま。




彼は私に夜景を見せる為、ワザと点けていない。