鍵はカードキーだし、ホテルの部屋みたい。



何ですか!!?



この無駄に広い空間はーーー・・・



「ここに一人ですか?」



「悪いか?」



「いえ」




リビングの窓ガラスは一枚硝子。
床から天井まで覆う高い窓。
余すコトなく夜景を一望できた。


眼下に広がる東京の夜景に思わず息を飲む。



「気に入りそうか?」



「はい」



夜景を眺められるように椅子が置かれていた。



「この椅子に座って…いつも俺は朝…経済新聞やビジネス誌を見ている」



「へぇーっ」


思わずその姿を想像して、口許を緩ませる。