【完】結婚からはじまる恋《1》

「仕事は辞めろ」



「…あ、はい」



「…お前の友人に負担させた額を計算して俺に教えろ…俺がお金を用意する」



「で、でも…それは私が…」



「…俺はお前と結婚する。友人に借金した花嫁なんて俺の方が困る」




「・・・ありがとうございます」



「話はそれだけだ。仕事に戻るといい」




「はい」




『花嫁』




その言葉がいつまでも耳奥から離れず、鼓膜を擽り続けた。