エナメルバッグを肩に斜めに掛けて


自転車のペダルを思いっきり踏んだ。






AM 8:00



遅刻ギリギリの今日は


夏みたいに太陽がギラギラな気がする。








「やっべぇ…あと何分だっけ…?」






一限目までには間に合いたい…。








いつもの通学路の並木道。



散り始めた桜の花びらが


目の前をひらひら舞いながら、花の一生を終えていく。









(…もう散んのか…)







地面に広がる花びらの絨毯に


少しだけ、哀しいなと思ってから


自転車の速度をあげた。