「ねぇ、ママ、パパ。
また、私をからかってるの?
冗談ならやめてよ。」




だけどいくら呼びかけても二人からの返事はない。




「ママ!パパ!」




「おい!救急車はまだか!?」




嘘。
お願い。誰か嘘だと言って。




道には夥しいほどの血が流れている。




そして、それを洗い流すかのように降り出した雨。




「ママ!パパ!
ねぇ、返事をしてよ!ねぇ!?」




「君、そんなに揺らしてはいけない!」




嫌だ。
私を置いて行かないでよ。
ママ、パパ……。




二人は私を庇うように刺されてしまった。




【K通り 通り魔事件】




私がアイスを食べたいなんて言わなければママとパパは死ぬこたはなかった。