「茱良、早く車に乗れ。」 「うん。」 棗兄は神木組の跡取り息子。 神木棗(カミキ ナツメ)23歳。 私のいとこだ。 ヤクザと言っても連絡があれば警察にだって協力する。 いいヤクザだ。 「じゃあ、終わったら連絡しろよ。 絶対に一人で帰ったりするな。 いいな。」 「うん。」 歩いて15分の学校は車で行くとすぐに着く。 「とりあえず職員室に行かないと。」 職員室に着くまでに何人かの生徒にジロジロ見られた。 ジロジロ見られることは好きじゃない。 見ないでくれって言いたいものだ。